こんにちは、アラフォー太郎です。いつも記事を読んでいただきありがとうございます。
このブログでは、悩み多きサラリーマンが死ぬまでにやりたいことに関する情報を紹介しております。アラフォー世代の方もそうでない方も楽しんでいただけましたら嬉しいです。
今回の記事では、長期投資の名著、世界累計売上600万部の大ベストセラーの作品であり、生涯お金とどのように向き合うべきか、有益な考え方を示してくれる書籍『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』という書籍の紹介をさせていただきます。
タイトルを直訳すると『お金の心理学』です。私たちが世の中で生活していく上で、切っても切り離せない「お金」とどのように向き合うべきかを示してくれる書籍です。
本書で紹介されており、ご存知の方も多いかと思いますが、かの有名な投資家、ウォーレン・バフェットの蓄財のハイライトは彼が65歳を迎えてからというエピソードがあります。彼の資産のうち、95%は65歳になってから積み上げたものであり、如何に蓄財に長期投資が有効かということを示しています。
また新NISAの流行により、とかく”投資”が騒がれる今日ですが、貯金の大切さを説いていることも本書の特徴だと思います。不確実な世の中にありながら、貯金をすることで、想定”外”を想定”内”の状態に保てるのだという主張です。
私自身、インデックス投資を始めたばかりの新米投資家ですが、改めて長期投資の有用性と「目的のない貯金」の大切さを身にしみて感じることができた超おすすめの一冊です。
書籍情報:サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット
書籍の詳細情報は以下の通りです。
著者プロフィール
本書の著者であるモーガン・ハウセル氏は、ベンチャーキャピタル「コラボレーティブ・ファンド社」のパートナーです。ウォール・ストリート・ジャーナル紙の元コラムニストでもあります。
米国ビジネス編集者・ライター協会Best in Business賞を2度受賞しており、ニューヨーク・タイムズ紙Sidney賞を受賞。また優れたビジネス・金融ジャーナリズムを表彰するジェラルド・ローブ賞のファイナリストにも2度選出されるなど、輝かしい経歴の持ち主です。
ちなみに奥様と2人のお子様と米国シアトルにお住まいというプチ情報も記載しておきます。
この本を読んだ理由
私は2025年から、長期保有する前提でインデックス投資を始めましたが、関連書籍を調べていく中で本書と出会いました。
レビューをいくつか読み購入を決めましたが、その中に、投資でリターンを得るということはリスクを背負うのを受け入れること、そのリスクが心配で夜も眠れないようでは長期投資は続けられない。安心して眠れるように準備することが大切だということがよく分かったというものが有りました。
投資を始めたばかりの初心者なので、インデックス投資の有効性は理解しているものの、どうすれば暴落時にも狼狽売りしないメンタルを作れるのだろうか?と考えていたタイミングだったので、そのレビューを見て、即購入を決めました。
心に残ったポイント

良い投資とは、そこそこのリターンを繰り返し何度も手に入れ続けることである。そのとき、複利が最大の力を発揮する。
サイコロジー・オブ・マネー/モーガン・ハウセル
投資において重要なことは、一度に巨額のリターンを得るということではなく、「黙ってじっと待つ」ことであると著者は言います。
かの有名な米国の投資家、バークシャー・ハサウェイの経営者であるウォーレン・バフェット氏が経済的に成功した最大の要因は“時間”であり、複利の力を最大限に活かしたことであるということです。冒頭お伝えした通り、彼の資産の95%は彼が65歳になってから得たものという事実が、それを物語っています。
2025年4月3日現在、米国のトランプ大統領の関税政策により、世界的な景気不安が巻き起こっています。こういう時こそ、「黙ってじっと待つ」という方針が生きてくるものと思いました。焦って狼狽売りしていては、将来に向けての着実な資産形成は実現できませんよね。
ナポレオンによる天才的な軍人の定義は、「周りの人間が正気を失っているときに、普通のことができる者」である。
サイコロジー・オブ・マネー/モーガン・ハウセル
本書の中で、1900年から2019年までの間、毎月1ドルずつ貯金し、3人の人間がそれぞれ異なるパターンで米国株式市場に投資をした場合、どのような結果を得たかを紹介しています。誰の結果が最も良かったか皆さま分かりますか?

上げ相場でも下げ相場でも、毎月1ドルずつ淡々と投資するよ!誰になんと言われようと方針を変えず、ひたすら投資をし続ける!



下げ相場で投資するのは怖いから、毎月1ドルずつ投資するけど、景気交代したら、現金で貯金することにするわ!後退が終わったら貯金を株式市場に再投資するの!



景気後退とか怖すぎ。毎月1ドルは株式投資するけど、景気後退になったら6ヶ月後に株式売ります…。それで後退が終わって6ヶ月経ったら流石に安心だし、また投資を再開しますよ…。だって下げ相場で投資するなんて怖すぎだもん。。。
答えは圧倒的な差をつけてA吉さんの勝利でした。1900年から2019年の1428ヶ月でそれぞれが築いた資産は実績は以下の通りです。
A吉さん:43万5,551ドル
B子さん:25万7,386ドル
太郎:23万4,476ドル(泣)
この間、300ヶ月が景気後退の期間にあたりますが、後退中や後退しかけている間にも冷静に淡々と積み立てを続けてきたA吉さんが最も多くの資産を築けていることが分かります。
必ず訪れる景気後退や暴落相場、その状況の真っ只中において、その恐怖にどのように対処するかで投資の成否が決まる。正に、周りの人たちが正気を失うくらいの株価下落時に、当たり前のように普通に投資を継続することが、確実な資産形成の道ということですね。
貯蓄は、支出を減らすことで生み出せる。
欲望を抑えれば、支出を減らせる。
他人の目を気にしなければ、欲望を抑えられる。
サイコロジー・オブ・マネー/モーガン・ハウセル
著者は上記の内容を一つの計算式で表しています。それが「収入ーエゴ=貯蓄」という計算式です。これは言い得て妙だと感心しました。
一定の生活水準を満たすために必要なお金以上に支出してしまうのは、見栄やエゴによるものであり、それは人間の「他人に負けないようにしたい」という本能に突き動かされているものということです。
上記の通り、見栄やエゴで自らの虚栄心を満たし、お金を使うことで得られる幸福もあると思います。一方で、貯蓄をすることにより得られる幸福もあるのだと著者は言います。
それは「目的のない貯金」をすることで、人生における選択肢と柔軟性が手に入るということです。十分な貯蓄があれば、ただただ自分の好きなことを仕事にすることも、早期退職(FIRE)することも、投資チャンスが来たときにそれに飛びつく(資金を投入する)ことも出来ます。
これは「投資こそ全て!」「貯金しているだけなんて情弱だ!」と主張する人が増えている昨今において、目から鱗の主張ではないかと私は思います。
私自身、本書を読むまでは余剰資金の全てを投資に回そうと短絡的に考えていましたが、ある程度は貯金として残し、柔軟性を保つことが必要だと考え直すことができました。
長期投資を継続していく上でも、生活防衛資金をしっかりと確保しつつ、暴落時に追加投資できるくらいの貯金を常に持ち続けたいと思います。


投資の神様は、代償を支払わずにリターンを求める者を嫌う。
サイコロジー・オブ・マネー/モーガン・ハウセル
ボラティリティは罰金ではなく、リターンを得るために必要な入場料なのである。
サイコロジー・オブ・マネー/モーガン・ハウセル
数々の統計や研究データが、過去の米国株式市場において、元本を投入してただただじっと待っていれば複利で資産を増やすことができたことを証明しています。なんだか簡単なことのように思えますよね。しかし暴落時に、そのように達観して落ち着いていられる人がどれだけいるでしょうか?
著者は価値あるものを得るには代償が必要だと言います。株式の長期投資における代償とは、株価下落やそれに対する恐怖、疑念、不安に耐えることです。著者曰く、代償を払わずに投資で利益を得ようとするのは、万引きと同じだと言っています(笑)。
人間の心理は不思議なもので、100万円の利益によって感じる幸せと、100万円の損失によって感じる不幸せを比べたときに、より心に強いインパクトを与えるのは、100万円の損失です。
市場は常に変動するものであり、そうであるならば、所有する株式の評価額が取得価額を下回る局面が来るのは当然のこと。長期投資において、市場の変動性というのは、判断誤りによる罰金ではなく、将来の利益を得るための入場料のようなものと考えることが大切ということです。
自己判断により取った投資行動に関して、自分が投資した市場は、きっと将来的により高い水準になる、きっと利益を得られると信じるからこそ、「入場料を支払う価値がある」と自らを納得させられますよね。そうでなければ、暴落相場で罰金を支払って市場から退場することになってしまいます。
「投資では、努力と結果にはほとんど相関関係がない」
サイコロジー・オブ・マネー/モーガン・ハウセル
私が頼りにしているのは、高い貯蓄率、忍耐力、「世界経済は今後数十年にわたって成長を続ける」という楽観主義である。
サイコロジー・オブ・マネー/モーガン・ハウセル
上記の考え方の下、著者の投資は個別株によって大きなリスクを負うことなく、インデックスファンドに投資し続けるという方針をとっています。
冒頭お伝えした通り、奥様と2人のお子様を持っており、家族のためにも絶対に投資で大失敗したくない。世界一の投資家になれなくても、夜にぐっすり眠れる程、つまり著者自身のリスク許容度の範囲内での投資を継続していくことで、着実な資産形成を目指していくというものです。
また貯蓄や忍耐以外の頼りは、長期的な目線で世界経済が成長し続けるという楽観主義だというのは、本当に共感できる主張でした。
これは以前にご紹介した書籍『お金は寝かせて増やしなさい』の中で、著者の水瀬ケンイチさんも同様の主張をしていました。
彼は、暴落相場の中、誰しもが株式市場の終わりだと悲観している中で、それを囃し立てるような雑誌や経済誌を販売することで、売上を伸ばそうというメディアの姿に、経済成長の底力や明るい未来を感じ、それがインデックス投資を継続する活力になったと言っています。


私も今後投資を継続する中で、不安に駆られて市場から逃げたくなる時がきっと来ると思います。そんな時に、彼らの言う世界経済が長期的に成長していくだろうという楽観主義を思い出して、市場にしがみついていこうと思います。
まとめ


以上が書籍『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』のご紹介でした。いかがでしたでしょうか?
私の中では、特に最後のポイント、楽観主義の大切さは、本書を読んで深く心に刻み込むべきと感じた部分でした。
「長期的な経済成長に楽観的であれ」という主張は他の書籍でもなされていますが、最後のその主張に辿り着くまでに、著者のお金に対する向き合い方を読んだことで、この主張が余計に身に沁みたように感じます。
また投資だけに目を向けるのではなく、貯蓄をすることで人生に選択肢と柔軟性を持たせるというポイントも今後の資産形成に生かしていくべきだと感じています。
これからインデックス投資を始める投資初心者の方や、暴落相場で今にも市場から退場しかけてしまっている方、インデックス投資という投資手法に確信を持ちたい方に、心からおすすめできる一冊です。
今後も投資に関する書籍を、皆さまに分かりやすくご紹介していきたいと思いますので、次回も是非読んでくださると嬉しいです。
過去の記事を含めてお問い合わせ、コメントなどございましたらお気軽にお寄せいただけましたら幸いです。
それでは。
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